華劇公演「せをはやみ(ハニー)」#2
【あらすじ】
第六天魔王の封印を解いてしまった安藤春菜は
竹中半兵衛の力で戦国時代に飛ばされてしまう。
そこで春菜は戦国時代の竹中半兵衛らに出会うのだった。
【登場人物】
竹中半兵衛:滑川龍(CV柿原徹也)
安藤春菜・はるな:神楽千秋(CV進藤尚美)
織田信長・第六天魔王:衣川祥子(CV津田美波)
黒田官兵衛:古畑和慶(CV三宅健太)
羽柴秀吉:岨野小町(CV加藤英美里)
徳川家康:成瀬修子(CV洲崎綾)
黒田長政:浅葱陣(CV山下大輝)
荒木村重・先生:白石舞伎(CV小松渚)
■シーン7 波動
はるな
「…第六天魔王が2体存在している!それに、おかしい
月読の波動を感じる…」
羽柴秀吉
「はるな様、どうかなされましたか?」
はるな
「…第六天魔王が、現れました」
羽柴秀吉
「え?第六天魔王は巫女様が封印なされているはず…」
はるな
「そう…ですが、もう1体…なぜか…第六天魔王が現れました」
羽柴秀吉
「つまりは…第六天魔王が…2体!!!
このままでは、この世が終わってしまうではありませぬか!」
はるな
「いや…しかし、それだけではありません…月読が復活したかも知れません…」
羽柴秀吉
「そ!それでは第六天魔王を完全に封印する事が出来るのでは!!」
はるな
「やもしれぬ…」
はるな
「…秀吉。月読復活の真偽を確かめて来てください」
羽柴秀吉
「ははっ!して月読はいずこに?」
はるな
「稲葉山城…竹中半兵衛の近くにその波動を感じます…」
■シーン8 信長の使者
黒田官兵衛
「なぁ…君が未来から来たなど…そんな話
やはり信じられん…本当にそんな事があるのか…」
安藤春菜
「…本当かなんて、そんなの分かんないよ、私も信じられない…」
黒田官兵衛
「確かに君が言うように、空から急に君が落ちてくる所を見はしたが…
それが未来の半兵衛の仕業で、それを今の半兵衛が受け止めたなど
にわかには信じ難い…
しかも、君の言う第六天魔王は比叡山で巫女に封印されているはず…」
安藤春菜
「比叡山…あ!歴史の教科書で見たことがある!比叡山焼き討ち!
織田信長が比叡山を焼き討ちして、そこに居る僧侶を皆殺しにしたと…」
黒田官兵衛
「ば!馬鹿な!き!君は、まさか!
織田信長が第六天魔王を解放したとでも言うのか!」
黒田長政
「お父さん、うるさくすると、半兵衛さん起きちゃうよ!」
黒田官兵衛
「…す。すまん。つい…」
安藤春菜
「…」
黒田官兵衛
「しかし、織田信長により封印が解かれると言うのであれば…
早く止めねばなるまい…」
竹中半兵衛
「ったく…おきてるっ、つーの…」
黒田長政
「あっ!」
竹中半兵衛
「しっ!静かにしてろ…あとで饅頭奢ってやるからな…」
黒田長政
「う、うん…半兵衛さん、大丈夫…?」
竹中半兵衛
「おー、気にすんな…
織田信長…比叡山焼き討ち…はるなが危ねーんだな…信長め…
この身体で…全部守ることができんのか…いや…やるんだ…俺なら出来る…」
羽柴秀吉
「数人で稲葉山城を占領したと聞いたが…まさか門番もおらんとは……!
たのもー!たのもー!…あれ?人の気配はするのだが…?」
黒田官兵衛
「うん?誰か来たようだな…長政、出てくれ…」
黒田長政
「はーい……おじさん、だれ?」
羽柴秀吉
「おじさんはな、織田家家臣の羽柴秀吉と申す者でござるよ!」
黒田長政
「おサル?」
羽柴秀吉
「おサルではござらんっ!ござる、でござるよ!」
黒田長政
「子ザル?」
羽柴秀吉
「子ザルではござらん!ござるでござるよ!」
黒田長政
「子ザルではござらん、子ザルでおサルよ!」
羽柴秀吉
「ちっ!ちがーう!ワシはサルではない!織田家家臣の羽柴秀吉で…!」
竹中半兵衛
「あーーーーっ!うっせーーーーー!!!!サルだか子ザルだか知らねーけど!
ウダウダ言ってんじゃねーっっ!ゆっくり寝てらんねーだろーがぁぁ!」
羽柴秀吉
「え?」
黒田官兵衛
「あ…!」
黒田官兵衛
「いやー、半兵衛!具合はどうだ?」
羽柴秀吉
「お主が…半兵衛どのか…」
竹中半兵衛
「お前らは全く、病人が居るってのに、何ちゅう騒ぎ様だ!
って腹が減った…
おい、春菜!春菜っ!飯持って来てくれ!」
安藤春菜
「起きたと思ったらいきなり…
どうして私がそんな事言われなきゃならないのよ!」
竹中半兵衛
「なんだよ?ちょっとぐらい優しく出来ねーのかよ…」
羽柴秀吉
「仲が良いことは良い事で…」
竹中半兵衛&安藤春菜
「誰が仲が良いって!全然っ仲良くないっ!
これっぽっちも良く無いっ!ふざけるなっ!」
黒田官兵衛
「…まぁ…仲は良くないけど、息はピッタシだわな…」
秀吉(心の声)
「は!はるな様そっくりではないか…」
竹中半兵衛
「てめー!未来から来たくせに生意気だぞ!」
安藤春菜
「意味わかんない!ぜーんぜんっ!理屈が通ってない!」
竹中半兵衛
「ちっ…口が減らねーやつ…で、俺に何の用だ。織田家のおサルさんが…」
羽柴秀吉
「うむ。ズバリ言わせて頂くとお主の力を見込んでお頼み申す…
織田家に来ては貰えぬか…半兵衛殿…」
竹中半兵衛
「へっ?なんでっ?」
羽柴秀吉
「何でとは?その…竹中半兵衛殿が稲葉山城を落城させた…」
荒木村重
「たのもー!たのもー!」
羽柴秀吉
「邪魔するのは誰でごザルか…」
荒木村重
「織田家家臣、荒木村重でございます」
荒木村重
「こちらに黒田官兵衛殿はおられるか?」
黒田官兵衛
「おっ、俺に何か用か?」
羽柴秀吉
「!!!なにっ!お主が黒田官兵衛殿か!」
荒木村重
「単刀直入に言う…黒田官兵衛殿、織田家に来ては貰えぬか?」
黒田官兵衛
「ど…どういうことだ…」
竹中半兵衛
「……」
黒田官兵衛
「春菜さん…比叡山焼き討ち…もしそれが本当なら…
今の内に止めておいた方が良いよな?」
安藤春菜
「…そうなの…かな」
竹中半兵衛
「なーにひそひそ話してるんだ…敵を欺くには味方からってか…
孫子の『兵法』の初歩だな…」
黒田官兵衛
「おい」
竹中半兵衛
「心配すんな…体調はすっかり良くなったからよ」
黒田官兵衛
「いや…違うと思うんだが…」
竹中半兵衛
「あん?」
黒田官兵衛
「敵を欺くには味方から…それは孫子の『兵法』ではないはずだ…」
竹中半兵衛
「んだと!てめぇ!おれと張り合おうってのか!
最初に織田家に呼ばれたのは俺の方だ!」
黒田官兵衛
「たまたま、先に来ただけだろーが!」
安藤春菜
「こんな時に何ケンカしているのよっ!」
羽柴秀吉
「そうでござるよ!ケンカは良くないで子ザルーなーんつってっ…」
竹中半兵衛&黒田官兵衛
「うっせー!黙れ!さるっ!」
羽柴秀吉
「そ!それはひどい言い様でございますなー」
荒木村重
「オッホン!それでは二人とも信長様の元に来て頂こうか…」
■シーン9 復活
はるな
「月読…どうして今、月読の力が復活したのか…」
明智光秀
「……」
はるな
「そ!そなたは!」
明智光秀
「……」
はるな
「な…何を!
な!なにを!止めるのです!そんなことをすれば封印が解けてしまう!
無理です!そなた一人の手に負える相手ではありません!」
第六天魔王
「ふははははは!遂に封印が解けたわ!まさかお主が封印を解くとはな!
人間とは真に面白い
条件も揃わぬのに自ら封印を解き、そして我と戦おうと言うのか?
良かろう、地獄に送ってやる!」
はるな
「ま、まずい…月読…!だ…第六…天魔王が…あなたの…気を…つけ…て!」
■シーン10 天下布優
安藤春菜
「…え!いま……」
竹中半兵衛
「あ?何か言ったか?」
安藤春菜
「あ、ううん…なんでもない…」
竹中半兵衛
「ふーん。そーかよ!」
黒田官兵衛
「もうちょっとで城に着くんだから、信長殿の前では仲良くやってくれよ!
まったく…」
荒木村重
「いや…春菜殿と長政殿はここで待って頂くことになります」
羽柴秀吉
「なんと!一緒に行けば良いではないか!」
荒木村重
「いけませぬ!!
大殿様が連れて来いと仰ったのは半兵衛殿と官兵衛殿でございます」
羽柴秀吉
「お主は固いのぉ…」
#場転
羽柴秀吉
「信長さまー!信長様!竹中半兵衛殿と黒田官兵衛殿を連れて参りましたぞ!」
織田信長
「秀吉!大儀であった…」
織田信長
「二兵衛にこんな所まで足を運んで頂いて、誠にお手数でありました」
黒田官兵衛
「ははっ!」
竹中半兵衛
「…
信長さんよ」
黒田官兵衛
「おいっ!失礼だぞ…」
竹中半兵衛
「一つ聞きたいんだが…
比叡山を焼き討ちしようってのは本当の事なのか?」
黒田官兵衛
「半兵衛、お前…聞いていたのか…」
織田信長
「比叡山を焼き討ち?何と酷い事を…!その様な事が出来る訳もありません
私には思いも寄らぬ事でございます」
竹中半兵衛
「それ、本当なんだろうな?」
織田信長
「この信長。竹中半兵衛殿を敵に回す気はございません。むしろ逆でございます
あなた様から学びたいのでございます。私の理想は『天下布優』…
優しさを持ってこの時代を築きたいのでございます…
その為に、半兵衛殿の力を…」
竹中半兵衛
「へんっ!
てめぇはどうも信用ならねぇ…
言葉は所詮言葉だ、だが心の写しでもある!
薄っぺらい言葉なんぞ言ってたら、心が、すぐに乗っ取られんぞ!
守りたいものを守りたいなら、俺ならどストレートに行くぜっ!
とにかく、比叡山に手を出すんじゃねー!わーったな!」
羽柴秀吉
「半兵衛どのっ!いくらなんでも口が過ぎますぞ」
織田信長
「…手は出さぬ…しかし、この信長!真に平和を望んでおる!」
竹中半兵衛
「天下布優!上等だよ!本気ならやってみせやがれっ!」
黒田官兵衛
「半兵衛…」
徳川家康
「なんと豪気な…この家康、半兵衛殿を部下に迎え入れる勇気はござらん」
黒田官兵衛
「…信長殿。失礼な物言いすみません。けれど、こいつはこういう奴なんだ
口は悪いが、常に戦場で自分の命より、どうすれば犠牲が少なくて済むのか
戦をしなくて済むのかを考えている奴なんだ
戦が終わった後、こいつはいつも悲しそうな顔をしている
軍師ってのは、本当は誰よりも戦が嫌いな職業なんだ」
竹中半兵衛
「官兵衛、よけーな事いってんじゃねーよ
とにかくっ!はるなに何かあったら!
殿さまだろうが、大名だろうが、俺が叩き潰す!それだけだ!いくぞっ!」
黒田官兵衛
「おい!半兵衛、待てよ…」
織田信長
「半兵衛殿…!あっぱれじゃ!のぅ、秀吉!」
羽柴秀吉
「はっ!」
織田信長
「竹中半兵衛殿から学べることは多そうだな」
羽柴秀吉
「は?」
織田信長
「わからぬか?」
羽柴秀吉
「わかりたく…ありませぬ…」
織田信長
「はて?それはおかしいのぉ…もう一度言おうか?」
羽柴秀吉
「いえいえいえいえいえいえ!分かりましてございます!…そのー、つまり…
竹中半兵衛殿の部下となり…学んで来いと、仰るのですな!」
織田信長
「デアル」
羽柴秀吉
「ガーン…あのワガママと信長様だけでも結構大変なのに…
もう1人ワガママな御仁の面倒を見なければならぬのか…」
徳川家康
「なんと、豪気な…」
羽柴秀吉
「あんた、さっきから『なんと、豪気な…』としか言ってないじゃないか!」
徳川家康
「あ、信長様、秀吉殿がさっき何か文句を言っておりましたぞ」
羽柴秀吉
「家康どのぉぉぉぉ!行って参ります!行って参りますともーーーー!」
織田信長
「デアルカ!」
第六天魔王
「ようやく解き放たれて、人間界を覗いてみれば
人間とは相変わらず愚かな事よな…信長か…!
この純粋さは、負に転ずればこの世の誰よりも残酷になる素養がある…
よかろう織田信長よ!我が宿り主となるが良い!」
織田信長
「……うむ…眩暈が…」
徳川家康
「信長様、ご様子が…何か…」
第六天魔王信長
「で、デアルカ!!!…ふふ…あははははは!
何が天下布優だ!天下布武こそこの世の全てよ!!!
武力で持って世界を統べるのだ!」
徳川家康
「の…信長様…こ…これは豪気ではありませぬぞ…」
■シーン11 第六天魔王
黒田長政
「お父さん達、遅いね…」
安藤春菜
「本当、いつまで待たせるつもりなのかしら…」
天魔王村重
「ここに居たのか…月読の巫女よ」
安藤春菜
「っ!…あ、あなた一体…」
天魔王村重
「数日ぶりだな…
先の時代では信長に憑依して敗れたが
こやつは、この時代で最も生に執着のある者、二度と同じ事は繰り返さぬ!」
黒田長政
「…おねぇちゃん」
安藤春菜
「長政くん、今のうち、逃げるのよ…」
天魔王村重
「全く、人間の愚かさ、甘さには反吐が出る…
どこに逃げようとも我から逃げ切れるものか!そこの坊主、我の元に来い!」
黒田長政
「い!いやだっ! いやだよー!」
天魔王村重
「フフフ!捕まえたわ!」
安藤春菜
「止めなさい!私を連れて行けばいいじゃない!」
天魔王村重
「連れて行くのではない
消し去る為に捕まえたのだ!」
黒田長政
「ぐ!ああああああああ!!」
安藤春菜
「わ、分かったわ…私の命を奪いなさい…」
竹中半兵衛
「この……おおばかやろぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
安藤春菜
「半兵衛!」
天魔王村重
「黙って見ておれば命だけは助かったものを!」
黒田官兵衛
「子供を人質に取るなんて卑怯だぞ!」
天魔王村重
「我にとって、それは褒め言葉よ!」
竹中半兵衛
「てめぇ!」
天魔王村重
「くくく!坊主が殺されても良いのか?」
竹中半兵衛
「あほな事ばっか言ってんじゃねーよ!
官兵衛っ!!長政、取り戻すぞ!…今から全力でこいつを叩き潰すぜ!」
黒田官兵衛
「おおっ!当然だ!でぇぇぇい!」
竹中半兵衛
「くっ!こいつ、なんて力だ!」
黒田官兵衛
「俺はっ!!大事な息子をぉぉぉぉぉ!!!」
竹中半兵衛
「官兵衛!よせっ!!!
ごほっごほっ…こんな時に、咳が……出てきやがるとは…」
羽柴秀吉
「官兵衛殿!」
竹中半兵衛
「ひ、秀吉!良い所で出てきやがるぜ!」
天魔王村重
「し…しまっ…た…」
羽柴秀吉
「長政殿は取り戻したでござるよ!」
黒田官兵衛
「秀吉殿…恩に着る…しかし…うぐぐぐぐぐ…」
黒田長政
「お父さん!お父さん!」
黒田官兵衛
「お父さんはな…長政を守るのが仕事なんだ!」
第六天魔王信長
「果たして、それが叶うかな…」
羽柴秀吉
「の!信長様!ど!どうなされたのです!」
天魔王村重
「もう一人の我が遂に目覚めおったか…」
羽柴秀吉
「な!何を言っておるのじゃ!信長様!村重殿は第六天魔王に…?!
まさか…信長様も…?」
第六天魔王信長
「こやつはこの第六天魔王信長が預からせて貰う!」
黒田長政
「嫌だ、離して!離して!」
竹中半兵衛
「長政!!」
羽柴秀吉
「まずい!引くのだ!」
黒田官兵衛
「息子を置いたまま逃げろと言うのか!」
羽柴秀吉
「拙者の名は羽柴秀吉!我は天照命の命に祈るものなり!
太陽の力を以って、黒田長政を妖魔から守り給え!」
安藤春菜
「こ…これは…あの時の…」
羽柴秀吉
「すまぬ!官兵衛殿!長政殿に最低限の結界は張っておいた!
今は引くのじゃ!
太陽の力を以って、我らを妖魔の手が届かぬ場所まで逃し給え!」
■シーン12 二人の巫女
安藤春菜
「私、なんでここにいるのかしら…何も…出来ない…何の役にも立てない…」
はるな(声のみ)
「来るのです…比叡山へ…そなたの真の能力を呼び覚ましましょう…」
安藤春菜
「え!?」
竹中半兵衛
「どうした…春菜?」
安藤春菜
「天照の巫女が…私に語りかけてくる…比叡山に来いと…声が…」
黒田官兵衛
「半兵衛、ここからは別行動だ…
俺は長政を助けに行く…」
安藤春菜
「まって!官兵衛さん、まだ、巫女の声がする…」
はるな(声のみ)
「黒田官兵衛…長政の命はまだ尽きておりません…
それに、今そなたが行ったとて、第六天魔王には勝てないでしょう…
比叡山に参り、月読と我を引き合わせるのです…
第六天魔王を永久に封印する方法を伝えなければなりません…」
黒田官兵衛
「くそぉぉぉぉ!息子を連れ去られ、何も出来ぬ!何も出来ぬ!
俺の無念が!俺の無念が!お前らには…お前らには…」
竹中半兵衛
「分かっているよ。長政は俺にとっても息子みたいなもんだ…
必ず、助け出してみせるから…今は我慢して比叡山に向かおうぜ…な…」
#場転
黒田官兵衛
「…」
羽柴秀吉
「…しかし、ここは比叡山の中でも辿り着くのが相当困難な場所でござるな…
官兵衛殿、間もなくでござるぞ!比叡山には妖魔もなーく!魔もなーく!
そして我らもまもなーく!でござるぞー!」
竹中半兵衛
「秀吉…おめーは本当に口が減らねーやつだな…」
黒田官兵衛
「…わるい、はしゃいでる気分じゃないんだ…」
竹中半兵衛
「だろーな…俺もそうだ…
なぁ、官兵衛にサルよ…」
黒田官兵衛
「なんだ…」
羽柴秀吉
「何でござるか?」
竹中半兵衛
「俺が死んでしまったら、悪いんだけど、俺の目指している平和な世界ってやつ…
おめーらが実現してくれねーかな?」
黒田官兵衛
「おまえ…もしかして…」
竹中半兵衛
「官兵衛、俺の軍配…お前にやるよ…俺はもう…戦場に立てそうもないからな…
これで平和な世の中を…」
黒田官兵衛
「縁起でもない事を言うな…」
竹中半兵衛
「ま、暗い話はそれくらいで、着いたぜ。入ろう…」
#場転
はるな
「半兵衛様!大丈夫でしたか?」
竹中半兵衛
「ああ、何とか…な…こいつはややこしーんだけど、安藤春菜…」
はるな
「知っています…月読…よくいらっしゃいました」
羽柴秀吉
「はるな様!第六天魔王の封印…解けてしまったのですか?」
はるな
「はい…」
羽柴秀吉
「い、一体誰がそんなことを!」
はるな
「光秀です…」
はるな
「光秀は自分こそが降魔の者と信じ、第六天魔王を倒そうとしたのです…」
羽柴秀吉
「光秀…我ら使者が降魔の土岐であるはずがないことは明らかであるのに…」
竹中半兵衛
「話がよく見えねーんだけど…」
はるな
「第六天魔王を封印するには、天照の力だけでなく月読の巫女
日輪の使者と明月の使者が揃わなくてはだめなのです…日輪の使い、秀吉!」
羽柴秀吉
「ははーっ!」
竹中半兵衛
「なにっ!」
黒田官兵衛
「お前…何者だ!」
羽柴秀吉
「いや…その、ワシはどうやら日輪の子らしくてだな…
そして明月の使いは光秀だったのじゃ!」
はるな
「日輪明月の使者 集いてその印を地に示す時 天岩戸現われん
天照と月読の印を持つ巫女によりて 真の降魔の土岐を得る」
黒田官兵衛
「うん?…土岐って…土岐氏の土岐だよな…?
そう言えば…半兵衛も確か…土岐氏の支流だったような…」
羽柴秀吉
「…まさか!半兵衛殿が真の降魔の土岐やもしれませぬ!!!!」
竹中半兵衛
「んなわけねーよ!土岐氏の支流なんてこの世に何人もいるんだからよ!
それより、長政はどこにいるんだ?」
はるな
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