華劇「仁義なきにゃんけん 代理戦争篇」後編
【あらすじ】
にゃんけん神社の巫女から教えてもらった秘策を胸に、
にゃんけん勝負へ向かう三毛猫組新人。
一方、今宵のにゃんけん勝負に三毛猫組は新人が出ると言う
知らせを受け、色めき立つニャーク団。
この抗争に終止符が付けられる日が果たしてくるのか。
【登場人物】
ナレーション:常盤薫(CV代永翼)
三毛猫組新人:常盤薫(CV代永翼)
ニャーク団新人:神楽千秋(CV進藤尚美)
ニャーク団幹部:常盤薫(CV代永翼)
神主/神様:常盤薫(CV代永翼)
ナレーション
「ある町、ある時。
三毛猫組とニャーク団二つの勢力が抗争を続けていた。
皆様はご存じだろうか…。
この街では満月の夜に、三毛猫組とニャーク団による、
『にゃんけん』が行なわれていることを。」
ニャーク団幹部
「アメイジング!なんですと!今夜のにゃんけん勝負!
三毛猫組の代表は三毛猫組新人の泣き虫くんだなんて!
ペロペロされたもんですね!
(ボスから突っ込みが入る)
え?あ、はい。なめられたと言いたかったのです。
しかしどうしますか!ボス!
三毛猫組新人相手にボスが出るなんて・・・・!」
ニャーク団新人
「あのー、今夜のにゃんけん勝負、私が出ましょうか?さすがに満月の旅に、徹夜でじゃんけんを続けるのもつらいと思いますし。
相手もきっと休憩したいと思ったんじゃないですかね?」
ニャーク団幹部
「けれども。ボス・・・
大変、言いづらいのですが、
本当ににゃんけんをやる必要があるのでしょうか?
隣町のあたいの友達が言うんです。
猫の手ではグーしか出せないから、
じゃんけんでは勝負がつかないのはあたりまえじゃなーいって・・・」
ニャーク団幹部
「オウ!ノウノウノウです!
ボスになんてクエスチョン!質問しているのデスカ!ベイビー。
「じゃんけん」なんてワードを言うのはご法度!
トップ・・・シー・・・・・!
トップ・・・トップノンノンノンだぜベイビー!」
ニャーク団新人
「シークレットって言葉が出なかったのね・・・」
ニャーク団幹部
「ボス!三毛猫組新人の教育が出来ておらず申し訳ございません。
少しステイアウェイしてゲットアウトしてよろしいでしょうか?
私の方でちゃんとエデュケーショナルな指導を致しますのでーーー
(ボスから突っ込みが入る)
あ。その、はい!向こうで二人で話してきます」
ニャーク団新人
「で、何ですか?」
ニャーク団幹部
「キミはニャンケーン!の事を甘く見ているな。
にゃんけん!は我々の縄張りを掛けた長きにわたる抗争を
終わらせないために作った秘策なのだ!」
ニャーク団新人
「どうして、終わらせちゃダメなのよ!」
ニャーク団幹部
「勝負がついてしまうと、勝った方はおごり高ぶり、悪口を言ったり、
おやつを多めに食べたり、この世の終わりが来てしまう」
ニャーク団新人
「そ!そんなひどい世界が来てしまうなんて!」
ニャーク団幹部
「うちのボスはそんな事態を招かないためにも、
にゃんけん勝負を長引かせ、この町のバランスを保っているのでーす」
ニャーク団新人
「そ!そんな!いくら、バランスを保つためとはいえ、
無駄にじゃんけんを続けるなんて!」
ニャーク団幹部
「おい、ちがう、にゃんけん!ニャンケーンだ!ジャンケーンじゃない」
ニャーク団新人
「けれど、そんなこと言ってて、こちらが負けてしまったらどうする気なの!
私は勝負には勝ちたい、それに一晩中じゃんけんをやるのは…
体力的にも辛いから早く終わらせたい!
そして!勝っておやつが平等に行き渡る世の中を作りたい!」
ニャーク団幹部
「馬鹿なことを言うんじゃない!勝ってしまったら、
この世が終わってしまう。
あわあわあわ・・・・」
ニャーク団新人
「私たちが勝ったらおやつをちゃんと分ければ良いだけじゃない!
申し訳ないけど、今夜の勝負、何が何でも、絶対に勝つわ!
もう、私が出ることは決まっているんだから文句言わせないわ!
おやつがちゃんと行き渡る世の中を私は作る!」
ニャーク団幹部
「な・・!バランスが崩れてしまう・・・この世の・・・・
オワーリです」
●神社にて
ナレーション
「おやつが平等に行き渡る世の中作る決意を胸に若者は思い悩んでいた。
そして、気付かぬうちに「にゃんけん神社」にたどり着いたのだった。
にゃんけん神社の巫女はにゃんけん勝負の審判でもあるのだったが、
現在は配役の兼ね合いもあり、神主がそこには居たのだった」
ニャーク団新人
「絶対に勝つとは言ったものの、猫の手では、グーしか出せない。
どうすれば・・・・」
神主
「悩める乙女よ。どうなさった」
ニャーク団新人
「どうしたらにゃんけんに勝てるのでしょうか!
って巫女さんじゃないの?」
神主
「神主でーす。はじめましてー。
娘は向こうで三毛猫組の三毛猫組新人となんだか話し込んでおってな。
父の私が出てきました。と言う設定じゃ。さて、神様に願うがよいぞ!」
ニャーク団新人
「そうなのね!わかったわ!
神様!わたしに「にゃんけん」で勝てる力をお授け下さい!」
神主
「うら若き乙女よ!何か忘れはおらぬか?」
ニャーク団新人
「え?」
神主
「だから!」
ニャーク団新人
「え?」
神主
「あれじゃよ!あれ!」
ニャーク団新人
「あ、そでしたねー。うっかりー!マタタビどうぞー」
神主
「では、神様を呼んで参ろうかの…わ~ら~わ~は、にゃんけんの神様。
なーやーめーるおとめよー!(ちょっとだけ不機嫌)」
ニャーク団新人
「あああ!神様!」
神様
「なーにーかー用か?」
ニャーク団新人
「えーとですね、今宵のにゃんけん勝負なんですが、実は・・・」
神様
「うっ!ううう!」
ニャーク団新人
「神様、どうされました?」
神様
「…切れじゃ…」
ニャーク団新人
「え?」
神様
「じ、かん…ぎれ…」
神主
「神様はお戻りになりました。
そう言えば、いつもは、普通のマタタビではなく、
高級マタタビではなかったかな???」
ニャーク団新人
「高級マタタビ・・・お財布厳しいのに!!
わかったわよ!じゃこれ!どうぞ」
神様
「わら♪わは♪、にゃんけんのー神様♪、どうしたかの?♪」
ニャーク団新人
「にゃんけんに勝つ方法を。。。」
神様
「う!ぐぐぐぐ!!!」
ニャーク団新人
「もう!じゃ!これ!とっておきのカツブシこれでどうかしら?」
神様
「うほほほーい♪神様じゃ!♪何でも聞きくんだYO!」
ニャーク団新人
「どうしたらにゃんけんに勝つ事が出来ますか!」
神主
「…ぐぐぐ…」
ニャーク団新人
「そ、そんな都合のいい方法あるわけ・・・ないですよね・・・
高級カツブシちらっ。。。。」
神主
「なんじゃ、早くそれを見せないから時間がかかったのじゃ!
致し方なし、それを受取ろうぞ。
うら若き乙女よ!心して聞くのじゃ!
…グーもパーも、全てはそなた次第。
そなたが言い張ればそれはグーにもなりパーにもなる。
そなたが世界の中心なのじゃ!」
ニャーク団新人
「わたしが・・・・!世界の・・・中心!!!
そっか!相手がグーしかだしてこないと言う事はパーを出せば!
パーを出せば勝てる!!!
猫の手でも指を広げればギリギリ、パーに見えなくも・・・ない!
パーだとだと言い張ればいいんだ!」
神主
「そーなーたーしーだーーーい」
ニャーク団新人
「なんか、ちょっとむかつきますけど!ありがとうございました!
世界の中心はわたし!頑張ってみます!
おやつが平等に行き渡る世の中を私が作る!!!」
ナレーション
「決意を心に秘めた若者は秘策を胸に、決闘に向かうのであった。
そして勝負の時刻」
巫女
「これよりにゃんけん勝負を始める。正々堂々と戦う様に」
ニャーク団新人
「はいっ!」
三毛猫組新人
「はいっ!」
巫女
「それでは代表者前へ!
それでは、互いの縄張りを掛けたにゃんけんを始める」
巫女
「今宵は、三毛猫組とニャーク団の三毛猫組新人同士が勝負を致します。
勝っても負けても文句なしだぞよ!良いな!」
ニャーク団新人
「はいっ!」
三毛猫組新人
「はいっ!」
巫女
「それでは意気込みをどうぞ!」
三毛猫組新人
「(意気込みを一言)」
ニャーク団新人
「(意気込みを一言)」
巫女
「それではいくぞよ!」
三毛猫組新人&ニャーク団新人
「さーいしょは、グー!にゃーんけん!パー!!!」
巫女
「引き分けじゃー!引き分けじゃー!引き分けじゃー!」
三毛猫組新人&ニャーク団新人
「(心の声で叫ぶ)
な!なんだって!!!
グーじゃない!
ゆ!指が僅かに開いている!!!
確かにこれはパーに・・・・見えなくもない!」
ニャーク団新人
「巫女様!本当に!彼女はパーを出しているのですか!」
巫女
「おぬし、なにを女々しいことを言っておる」
三毛猫組新人
「女の子じゃなーい!」
ニャーク団新人
「訳わからない事言ってないで、ちゃんと見て下さいよ!」
巫女
「グーと思うかパーと思うかは、そなたしだーーーい!
そなたたちしだーーーい!」
三毛猫組新人
「ぼ!僕はパーを出しているんだ!」
ニャーク団新人
「私だってパーよ!」
三毛猫組新人&ニャーク団新人
「にゃーんけん!パー!!!あいこでパー!…(しばらく続く)」
三毛猫組新人
「お前ら!グーしかだせかったはずでは!」
ニャーク団新人
「貴様らこそ!」
三毛猫組新人&ニャーク団新人
「にゃーんけん!パー!!!あいこでパー!…
(まだまだあいこが続く)」
三毛猫組新人
「おかみさん!僕は!」
ニャーク団新人
「おやつが平等に行き渡る世の中を・・・・私はぁぁぁぁ!!」
ナレーション
「結局、一晩中、ふたりの勝負はつかず、
体力を使い果たした二人は、疲れ果てて、
三日三晩、寝込(ネコ)んでしまったそうです。
ネコだけに寝込んだ…。
…お後がよろしい様で…にゃんにゃん」
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「仁義なきにゃんけん」
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